リモートワークで働ける薬剤師の求人が少ない理由
リモートワークで働ける薬剤師の求人が少ない理由は、主に以下の5つの要因が関係しています。
1. 対面での調剤・服薬指導が基本だから
- 日本の薬剤師の主な業務である調剤や服薬指導は、患者と対面で行うことが法律上求められることが多いです。
- 2020年の規制緩和によりオンライン服薬指導が可能になったものの、一定の条件(初回対面必須など)があり、完全リモートでの勤務は難しい状況です。
2. 医薬品の取り扱いには物理的な作業が必要
- 薬剤師の仕事は、処方箋の確認、調剤、鑑査(ダブルチェック)、在庫管理など、薬を実際に取り扱う業務が多いです。
- これらの業務は現場で行う必要があり、リモートで対応するのが難しくなっています。
3. オンライン服薬指導の普及が限定的
- 一部の企業(オンライン薬局など)では、オンライン服薬指導の求人が出ていますが、まだ市場規模が小さく、求人数が少ない状況です。
- また、患者側も「薬は薬局でもらうもの」という意識が根強く、オンラインサービスの利用が広がりにくいという課題があります。
4. 規制や法制度の影響
- 日本の薬機法や医療制度の下では、薬剤師は医療機関や薬局に所属して働くことが前提とされています。
- オンライン診療が増えても、薬剤師がリモートで働くための制度や仕組みが十分に整っていないのが現状です。
5. リモート向けの業務が限られる
- 薬剤師がリモートでできる業務としては、以下のようなものが考えられます。
- オンライン服薬指導(特定の企業のみ)
- DI業務(医薬品情報の提供)
- 医薬品の問い合わせ対応
- メディカルライター
- 医薬品の品質管理や薬事業務
- しかし、これらの業務は全体の薬剤師求人の中でごく一部であり、一般的な調剤薬局や病院勤務とは異なるスキルが求められることも多いです。
今後の可能性
・オンライン服薬指導の拡大やデジタルヘルス分野の成長により、少しずつリモートワーク可能な求人が増えてくる可能性はあります。
・特に、遠隔地医療、AIやデータ分析を活用した医療サポート業務、製薬会社での薬事関連業務などでは、リモート勤務の機会が増えていくかもしれません。
現状ではリモートワークできる薬剤師の求人は少ないですが、今後の業界の変化に注目していくとよいでしょう。