PR
クリニック(診療所)における薬剤師の中途採用求人は、薬剤師求人全体の中でも非常に少ないのが特徴です。
具体的な求人数イメージとしては、業界大手の薬剤師専門の転職エージェントが保有する、薬剤師求人数が約10万件に対し、病院・クリニック全体の院内薬剤師の求人数が約2000~4000件程度、そのうち、クリニックの院内薬剤師求人は、100件~200件といったところです。
この数字を見ると、クリニックの院内薬剤師への転職は非常に狭き門であるとともに、いかにして最新の求人情報を取得するかが肝になってきます。
クリニックの院内薬剤師の割合は、全薬剤師の求人約10万件のうち、0.1~0.2%程度であり、クリニックの求人がいかに希少であるかが容易に理解できます。
クリニックの求人が少ない理由
ご存じのように、多くの診療所、クリニックは院外処方を採用しており、クリニックの門前には調剤薬局が設置されているケースがほとんどです。
そのため、院外処方を採用している診療所・クリニックでは、院内薬剤師が配置されることはほぼありませんが、例外的に、皮膚科、耳鼻科、精神科、透析などのクリニックで院内薬剤師を配置するケースがあります。
クリニックの求人情報をいち早く入手するには
お伝えしたとおり、クリニックの薬剤師求人数は非常に少ないので、日々、求人情報を取り続けることが必須です。
加えて、こういった希少求人は、条件が良い求人ほど一般には公開されていないものがほとんどです。
そこで、好条件の希少な求人情報を逃さないためには、薬剤師専門の転職エージェントに登録するのが、唯一の方法といえるでしょう。
クリニックの求人は複数のエージェントで保有しているが・・
2025年2月12日現在、病院・クリニックの求人を多く保有している転職エージェントは以下のファルマスタッフと、セルワーク薬剤師の2社です。
ただ、ほとんどの転職エージェントは、病院の院内薬剤師の求人と、クリニックの院内薬剤師の求人を区別していないため、実際にクリニックの薬剤師求人がどれくらいあるのか、正確な数字がつかみにくいのが実態です。
それでは2つのエージェントを1つずつ見ていきましょう。
病院・クリニック求人にも強い「ファルマスタッフ」
ファルマスタッフは調剤薬局大手の日本調剤グループが運営する業界最大級の薬剤師特化の転職エージェントゆえ、クリニックなどの希少求人の保有数も多いのが特徴です。
2025年2月12日現在では、病院・クリニックの院内薬剤師求人を3600件以上、保有しています。
これは、他社と比較しても群を抜いた数字です。
クリニックなどの希少求人は、応募者が殺到するため、非公開求人としている可能性が高いため、まずはファルマスタッフに登録し、クリニックの薬剤師求人に絞られた非公開求人の情報を取ることをおすすめいたします。
正社員求人が多めの「セルワーク薬剤師」
セルワーク薬剤師は、IT系企業の株式会社セルバが運営している転職エージェントで、他社エージェントで多く見られる大手薬局チェーンの傘下ではありません。
そのため、特定の薬局を優先的に紹介することなく、幅広い、中立的な視点から薬剤師の求人情報を提供しています。
他社と比較すると、保有求人数は業界最多級であり、正社員求人比率が高めなのが特徴です。
また、土日、夜間も面談対応してくれるところも、忙しい方には朗報です。
病院・クリニックの保有求人も2000件以上で、条件の良い非公開求人も多く保有していますので、登録必須のエージェントと言えるでしょう。
転職エージェントへの登録をおすすめする理由
お伝えしたとおり、クリニックの薬剤師求人数は非常に希少かつ、非公開求人が多いので、日々、自力で求人情報をチェックしていくのは現実的ではありません。
クリニックの求人を持っている転職エージェントに登録し、ご自身の希望条件を伝えておけば、希望の条件に合致した求人が出現したときには、迅速にあなたのもとに情報が配信されます。
複数のエージェントにアンテナを張る
クリニックの薬剤師求人は一定数が見込めるとはいえ、必ずしもあなたに合った条件の求人が今現在、存在するとは限りません。
そこで、こういった希少の求人を探す場合は、自分に合った条件の求人を逃さないため、できるだけ複数のエージェントに登録し、常に最新情報を取得できる態勢を整えておくことをおすすめいたします。
迷った場合はファルマスタッフ
どのエージェントに登録しようか迷った場合、まずは業界最大級の求人数を保有し、希少求人の出現率も高いファルマスタッフへ登録しておきましょう。
今、こうしている間にも、好条件の求人が出てきては、選考が進んでいます。
少ないチャンスを逃さないためにも、まずは第一歩を踏み出しましょう。
【参考】クリニックの院内薬剤師への転職を希望する人の心理とは?
クリニック(診療所)の院内薬剤師への転職を希望する薬剤師の心理には、いくつかの表向きの理由と、採用面接では言いにくい本音の部分があると考えられます。
表向きの理由
1. 医師や看護師との連携を深めたい
診療所では医師や看護師と直接やり取りする機会が多く、処方意図の確認や服薬指導をスムーズに行いやすいのが特徴です。チーム医療の一員として貢献したいという意識を持つ薬剤師にとって、魅力的な職場環境となるでしょう。
2. 患者との距離が近く、より個別対応がしやすい
調剤薬局に比べて、患者の治療経過を長期的に見守ることができるため、継続的な服薬指導を行いやすいというメリットがあります。患者一人ひとりに寄り添った医療を提供したい薬剤師にとって、やりがいを感じられる環境といえます。
3. 診療科によっては専門性を高められる
例えば、糖尿病内科や循環器科のクリニックであれば、慢性疾患の薬物療法に特化した知識を深めることができます。また、小児科や皮膚科など、特定の患者層に特化した経験を積むことができる点も魅力の一つです。
隠れた本音(採用面接では言いにくい理由)
1. 仕事量や業務の負担が比較的少ない
大病院や調剤薬局のように、1日何百枚もの処方箋をさばく必要がないため、業務負担が軽減されます。夜勤や当直がないため、規則的な勤務時間で働ける点も、診療所勤務の魅力の一つです。
2. 人間関係のストレスが少ない
大病院のような縦社会や、調剤薬局のような厳しいノルマに追われることが少ないため、ストレスの少ない環境で働くことができます。また、診療所は小規模な組織であるため、院長やスタッフとの関係がシンプルになりやすい点もメリットです。
3. 調剤薬局でのノルマや売上プレッシャーから解放されたい
一部の調剤薬局では、売上やジェネリック変更率、在宅訪問件数などのノルマが課せられることがあります。しかし、診療所ではそのようなプレッシャーが少なく、落ち着いて業務に取り組める環境が整っています。
4. ライフワークバランスを重視
診療所は休日が固定されていることが多く、残業も少なめです。特に家庭や育児と両立しながら働きたい薬剤師にとって、理想的な勤務環境となるでしょう。
5. 薬局での接客やクレーム対応が苦手
調剤薬局では、患者対応に加えて薬歴管理や在庫管理などの業務負担が大きくなります。さらに、患者からのクレーム対応にストレスを感じることもありますが、診療所ではそのような負担が軽減されるため、精神的に安定して働きやすい環境といえます。
まとめ
診療所の院内薬剤師への転職希望者は、「医師や看護師との連携を深めたい」「専門性を高めたい」といった前向きな動機を持ちつつも、実際には「仕事量が少なく楽」「人間関係のストレスが少ない」「ノルマがない」「接客が苦手」といった本音の理由もあると考えられます。
採用面接では、これらの本音をそのまま伝えるのではなく、「患者との関係を深めたい」「チーム医療に貢献したい」といった前向きな表現に変えて伝えるのが望ましいでしょう。
クリニックの院内薬剤師とクリニック門前の調剤薬局に勤務する薬剤師の業務内容の違い
診療所(クリニック)内に勤務する薬剤師と、病院・クリニックの門前にある調剤薬局に勤務する薬剤師では、業務内容にいくつかの違いがあります。それぞれの業務を比較しながら解説します。
1. クリニック内に勤務する薬剤師の業務
診療所やクリニック内に勤務する薬剤師は、院内薬剤師と呼ばれ、主に以下のような業務を行います。
- 院内調剤業務
診療所で処方された薬を院内で調剤し、患者に提供する(院内処方)。外来患者向けの調剤が中心で、病院のような入院患者への対応はほとんどない。 - 服薬指導・説明
患者に直接、薬の飲み方や副作用、注意点を説明する。医師の処方意図を確認しながら、患者ごとに適切な指導を行う。 - 医師・看護師との連携
診療所内で医師や看護師と直接連携し、処方の相談や適正使用の確認を行う。 - 医薬品の在庫管理
診療所内の医薬品の在庫管理を担当し、適切な量の薬剤を確保する。 - DI(医薬品情報)業務
医師・看護師に対して、新しい薬の情報や副作用の情報を提供する。 - 簡易な製剤業務
必要に応じて軟膏の混合や散剤の分包などを行うこともある。
特徴:
- 医師と直接やり取りする機会が多い。
- 院内処方のため、処方の背景や意図を把握しやすい。
- クリニックの規模によっては、薬剤師が在籍しない場合もある。
2. 病院・クリニック門前の調剤薬局に勤務する薬剤師の業務
病院やクリニックの前にある調剤薬局で働く薬剤師は、主に調剤薬局薬剤師として以下の業務を行います。
- 調剤業務
病院やクリニックで発行された処方箋に基づき、調剤を行う。処方箋が適切かどうかを確認(疑義照会)しながら調剤を進める。 - 服薬指導・薬歴管理
患者に薬の説明を行い、過去の服薬履歴(薬歴)を確認しながら、重複投与や相互作用を防ぐ。 - 疑義照会
処方内容に不明点や疑問があれば、医師に確認を取る。特に、高齢者や持病を持つ患者の場合、処方の適正を慎重にチェックする。 - 在宅訪問・居宅療養管理(対応する薬局の場合)
在宅患者のもとに訪問し、服薬管理をサポートする。介護施設などと連携する場合もある。 - 医薬品の在庫管理
調剤薬局内での医薬品の在庫管理を行い、適正在庫を保つ。 - OTC医薬品の販売・相談
一部の調剤薬局では、OTC医薬品(一般用医薬品)の販売や健康相談に対応することもある。
特徴:
- 幅広い処方箋を扱い、多様な薬剤の知識が求められる。
- 医師とのやり取りは「疑義照会」が主になるため、対面での連携は少ない。
- 服薬指導の機会が多く、患者と長期的に関わることができる。
3. 業務の違いまとめ
項目 | 診療所(クリニック)内の薬剤師 | 門前の調剤薬局薬剤師 |
---|---|---|
調剤の対象 | 院内処方の患者 | 外来患者の処方箋 |
服薬指導 | 直接患者に指導 | 服薬指導+薬歴管理 |
医師との関係 | 直接相談しやすい | 疑義照会でのやり取り |
在庫管理 | 診療所内の医薬品 | 調剤薬局の在庫管理 |
その他の業務 | DI業務、簡易製剤 | OTC販売、在宅訪問 |
4. どちらが向いているか?
- 医師や看護師と直接やり取りしながら働きたいなら、診療所の薬剤師
- 幅広い処方箋を扱い、薬局の専門性を高めたいなら、調剤薬局の薬剤師
- 患者と長く関わり、継続的な服薬管理をしたいなら、調剤薬局の薬剤師
- 医師と密に連携し、処方の背景を深く知りたいなら、診療所の薬剤師
診療所内と門前薬局では、薬剤師の役割や働き方が異なりますが、どちらも患者の健康を支える重要な仕事です。希望する働き方に応じて選択するのが良いでしょう。